2009年11月03日

こんな「日本語」教育もあったんだ!日本の子供が学ぶ新教科「日本語」とは!?

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毎日新聞より

公開授業:「日本語」授業を公開 小中の教員ら視察−−新発田・御免町小学校 /新潟

 新発田市内の全市立小学校24校と中学校10校で、今年4月から新たな教科「日本語」の学習が始まっている。<中略>09年度研究推進校の一つ、御免町小ではこのほど、公開授業が行われ、市内の小中学校の教員ら約70人が視察した。

 公開授業は2、3、5年生の各1クラスで行われた。5年生のクラスでは清少納言の「枕草子」について学習。児童たちは朗読した後、「春はあけぼの」で始まる冒頭部分の空の色の変化について意見を発表し合い、作者の感性を学んだ。



「日本語」教師やっている私としては、教科としての「日本語」=日本語を母語としない人たちに教える日本語 というイメージなのですが、いやはやこんな教育も行われていたのですね!

う〜ん、でもどうなんでしょうか。以下に自分の意見を書いておきます。

今回はちょっと批判的に行きます!





記事の引用部分を見ただけではちょっとわかりにくいので、もう少し引用しますと、

 市教委は、従来の国語と日本語の違いについて「学力向上や読解力を養うのが『国語』で、『日本語』は豊かな自己表現力、日本の伝統文化や芸能に誇りを持つ心を育てる教科」と説明する。


なんだそうです!!
ええ〜!!てっきり国語というのは「読解力を養ったり、古典や名作に触れて感性を磨いたり、自己表現力を育たりする教科」だと思っていたのですけど! 最近の国語学習では文を読んで感性を磨いたり自己表現力をつけられない、ってことなんでしょうか??

もうひとつ、「日本語は伝統文化や芸能に誇りを持つ教科」というのも非常に気になります。

確かに、私も海外の滞在が長かったので、日本がいかにすばらしい国か、(日本を離れることによって)実感したり、現地の人々から知らされたりすることが多かったです。その割には日本の教育はどうも日本の文化や考え方に無頓着で、先人の知恵とか遺産とか言うものが「すごいものなんだ」ということを実感できないようになっているなあ、と感じることもあります。

でも、わざわざ「日本語」という教科を一つ作るというのはどうなんでしょうか。

そもそも、国語教育というのは戦前は皇民化政策の一環として使われていたという経緯があって、「日本精神」みたいなのを日本人に刷り込むための教科だったはずです。日本人のみならず台湾・中国・韓国等日本が占領した国では「国語」が教えられ、被占領国の人々に「日本精神」を教え「日本人」となるための教育が施されていました。…って大学院の講義の受け売りだったりして。。

個人的には過去のそうした事情は、まあ私自身知識不足でもあるのでどうこう意見を言う立場にありませんが、「日本の心」「日本の誇り」みたいなものを「一方向的に」教え込ませる教科であったのは間違いないんじゃないかと思います。

そうした歴史的背景のある「国語」を差し置いて、さらにそれに加え「日本語」という教科を立てるというのは、ちょっと前近代的なのではないかと思ってしまいます。

これは別に主義主張の問題とかではなくて、例えばこの「日本語」を教えている小学校にブラジル人の子供が入学して来たら、どうなるんでしょうか?男の子も「日本語」を学ぶんでしょうか?

なんだかそれは「日本的考えや感性を持つこと」を強制しているように感じてしまいます。

あと、子供たちは「枕草子」を読んでいるそうですが、「日本語」という名を冠する授業でそれだけで十分なのでしょうか?
つまり、日本という国は多民族国家なわけです。大阪と東京では言葉は違いますし、沖縄方言ももちろん日本語です。「日本語」という名の授業ですけど、アイヌの言葉は無視してもいいんでしょうか???

つまり、「日本語」という言葉でくくっちゃうと、しかもそれを「日本の心を学ぶ教科」と限定しちゃうと、とたんにいろんなものを「見ないこと」にしていることが見えてきちゃうんですよ。

そういう批判って既に国語教育にあったと思うんですけど、この「日本語」という教科はなおさらだと思います。

「留学生30万人計画」や少子化の問題などもあり、今後ますます日本国内に住む外国人の数は増えていきます。もちろん日本の小学校で学ばざるを得ない外国人の子供も増えるわけです。

そうした現状の中で、枕草子読ませて「日本の伝統文化や芸能に誇りを持つ心を育てる教科」とするっていうのはあまりにも単純思考だと思います。

じゃあ、どうすればいいのか?という点なのですが、やはり「世界の中の日本」「さまざまな価値観を持つ人が暮らしている国、日本」という視点が絶対必要でしょう。できればそうした視点を体験的に獲得できる活動もやっていただきたいところです。

当該の小学校のホームページを見たところ、そうした活動がなされていない点は大変残念でした。

大げさなことじゃなくて、「近所に住む外国人に母国の料理を教えてもらおう」とか「ダンスを習おう」とかそういうのでいいと思うんですけどね〜。

「日本がすばらしい国だということを学ぶ」という考えには賛成なだけに、ちょっぴり残念でした。
posted by MSD at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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